人類の多年にわたる文化的・科学的成果を糧として、無用な固定観念に阻まれることなく、持続的に思考し新時代を展望したい

新型コロナウイルスが人間社会へ残した禍根
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社 会

新型コロナウイルスが人間社会へ残した禍根

渦中に見いだされたセレンディピティとコロナ世代の可塑性

加納寛子(かのう ひろこ) 編著/樫村 愛子(かしむら あいこ) 著/大野 志郎(おおの しろう) 著/葉養 正明(はよう まさあき) 著/河野 義章(こうの よしあき) 著/内藤 朝雄(ないとう あさお) 著

  • 定価:本体2,200円 + 税
  • 書籍在庫:有 / 電子版:有
  • 判型:A5
  • ページ数:236頁
  • ISBN:978-4-86692-151-8
  • 発行日:2022/04/20発行
書籍内容

新型コロナウイルスによる世界的パンデミックが起きた。ワクチン接種を終えても再度感染者が増加する等で収束はまだ見えない。しかし、「禍福は糾える縄の如し」である。本書は、危機を好機に転じる未来への一助を示す。書評はこちら


◆主な目次
第1章 新型コロナウイルスが人間社会へ残した禍根とコロナ世代の誕生  (加納 寛子)
第2章 ポストコロナ社会のコミュニケーションのリスクと可能性  (樫村 愛子)
第3章 コロナ禍におけるコミュニケーションと映像メディア  (大野 志郎)
第4章 コロナ禍の下で、大学生活を充実したものにするために─ 学生運動が盛んな時期に入学した一教員の回顧─  (葉養 正明)
第5章 大きなコロナの禍の下で、教える・学ぶ  (河野 義明)
第6章 新型コロナウイルスと日本社会、そして改革の提言─ コロナ対策と劣化した社会の再編成を一つの動きとして行う―  (内藤 朝雄)
第7章 禍福は糾える縄の如し  (加納 寛子・樫村 愛子・大野 志郎・葉養 正明・河野 義章・内藤 朝雄)

【編著者紹介】
加納寛子(かのう ひろこ)

1971 年岐阜県生まれ。山形大学准教授。東京学芸大学教育学部・同大学院修士課程修了、早稲田大学国際情報通信研究科博士課程単位取得修了。サイバー犯罪やネットいじめ、フェイクニュースなどの情報社会に関する諸問題を解決することを目指し、AI モラルや情報教育、AI やIoT と人との関係、インターネット上での心理・行動分析について研究している。主著に『ケータイ不安~子どもをリスクから守る15 の知恵』(NHK 出版生活人新書)、『「誰でもよかった殺人」が起こる理由』(日本標準)、『ネットいじめの構造と対処・予防』(金子書房)、『いじめサインの見抜き方』(金剛出版)、『AI 時代の情報教育』(大学教育出版)、『情報社会論~超効率主義社会の構図』(北大路書房)等がある。高等学校普通科[情報]の設立当初より文部科学省検定教科書執筆。また、科学技術分野の文部科学大臣表彰(理解増進部門)受賞、日本教育情報学会論文賞受賞。日本情報教育学会会長。日本教育情報学会評議員、日本科学教育学会代議員(元評議員)。山形県後期高齢者医療広域連合個人情報保護制度運営審議会委員、山形市個人情報保護制度運営審議会委員ほか。


【著者紹介】
樫村 愛子(かしむら あいこ)

1958 年生京都府生まれ。愛知大学文学部人文社会学科教授(社会学・精神分析)。東京大学大学院人文社会研究科社会学専攻博士課程満期退学。専門はラカン派精神分析理論による現代社会分析・文化分析。著書『ネオリベラリズムの精神分析』(光文社新書)、『臨床社会学ならこう考える』(青土社)、『この社会で働くのはなぜ苦しいのか』(作品社)ほか。朝日WEBRONZA 執筆。日本社会学会庶務理事、日本社会学理論学会副会長、全国社会教育職員養成研究連絡協議会理事、豊橋市他男女共同参画審議会会長、「これからの生と民主主義を考える会」世話人 ほか。


【著者紹介】
大野 志郎(おおの しろう)

1980 年愛媛県生まれ。駿河台大学メディア情報学部准教授。執筆時は東京大学大学院情報学環助教。2022年4月より、東京大学社会科学研究所特任准教授。博士(社会情報学)(東京大学)。2013 年、東京大学大学院学際情報学府を満期退学。専門は社会情報学、社会心理学、情報教育、情報行動。著書に『逃避型ネット依存の社会心理』(勁草書房)、共著に『緊急事態宣言で人々の行動・意識は変わったか?』(丸善出版)など。


【著者紹介】
葉養 正明(はよう まさあき)

1949 年千葉県生まれ。東京学芸大学名誉教授、国立教育政策研究所名誉所員。東京教育大学博士課程単位取得修了。教育行政学、教育社会学専攻。東京学芸大学、国立教育政策研究所、文教大学を経て現在に至る。単著は、『地域教育計画』(建帛社)、『小学校通学区域制度の研究─ 区割の構造と計画』(多賀出版)、『米国の「学校の自律性」の研究』(多賀出版)、『人口減少社会の公立小中学校の設計』(協同出版)など。格差・分断・孤立などの進行する社会の学校の設計、未来像に関心を持つ。


【著者紹介】
河野 義章(こうの よしあき)

1943 年東京都生まれ。東京学芸大学名誉教授。博士(心理学)(筑波大学)。東京学芸大学大学院教育学研究科修士課程修了。東京都中央区立明石小学校教諭、福島大学講師・助教授・教授を経て、東京学芸大学教授。昭和女子大学特任教授を経て、現職。著書『文章題解答中の非言語的行動の表出と読みとり』(風間書房)、『授業研究法入門─ わかる授業の科学的探究』(図書文化)(編著)、『教育フィールド開発』(学芸図書)(編著)、『心理学Ⅰ ─その理論と方法』(川島書店)(編著)、『心理学Ⅱ ─ その応用』(川島書店)(編著)、『新版 教育心理学』(川島書店)(編著)など。


【著者紹介】
内藤 朝雄(ないとう あさお)

1962 年東京都生まれ。明治大学准教授(社会学)。東京大学大学院総合文化研究科国際社会科学専攻博士課程満期退学。集合状態のなかで個体が内側から変質し、その変質の連鎖として集合状態が展開するIPS(Intra-inter-personal spiral)、およびそれらIPS のマクロ環境内分布動態についての理論を、学校のいじめなどのモデル現象を用いてつくりあげている。著書『いじめの構造─ なぜ人が怪物になるのか』(講談社現代新書)、『いじめの社会理論─ その生態学的秩序の生成と解体』(柏書房)など。共著『「ニート」って言うな!』(光文社新書)、『いじめの直し方』(朝日新聞出版)など。論文「学校の秩序分析から社会の原理論へ─ 暴力の進化理論・いじめというモデル現象・理論的ブレークスルー」『岩波講座現代 第八巻』(岩波書店)、「学校のいじめのメカニズム─ IPS 理論、群生秩序、コスモロジー、自己裂開規範を用いて」『精神医学』63 巻2 号など。