歴史・地理
教育文化ブックレット⑤
新設灌漑用水沿革記
岡山県赤坂郡周匝村外二か村
野上祐作(のがみ ゆうさく) 著
明治のはじめ一地方の灌漑用水を引くために尽力した一村民の物語である。それは同時に、古い弊害を取り除き、村益かつ村民和合をもたらした。
◆主な目次
新用水設置場所および周匝村の概況
田用水(農業用水)設備
貢税(租税)改正に伴う農家の苦境
吉井川新井堰用水路築造の発起
工事目論見(計画)および仕様
参加村の現状
共同村民大会の開設
新設田用水の起工願いおよびその許可
工事担当者の任命および関係村との交渉
工事の着手
水路の略成に伴う流水試験および水路の故障
臨時会の開設による吉井川仮堰の決議
吉井川仮堰および水穂留め
田原用水関係村民襲来の防御策ならびに磐梨郡区長より召喚
洪水による川床の変化および築堰基礎工事協定
本井堰基礎工事の着手
工事未成のまま向かえた十年の暮れの状況
福田村の共同からの脱退発表および村民の状態
築堰材料の収集およびその仕様
第一次築堰水路筋の土龍による被害
十年計画の真相と請負範囲の落成
福田村の共同からの脱退と契約解除
工事費の徴収難
築堰第二次工事および十二年度の田植時期における新田の田植
工事費の金策に窮し、支払いの困難が極まれり
水穂筋堰止めの準備
反対地主の真相とその覚醒
落 成
松 風
1943(昭和18)年岡山県赤磐市周匝に生まれる
岡山理科大学名誉教授
医学博士(岡山大学)