工 学
材料科学の視点から眺めた茶道具の素材と歴史
岡崎正之(おかざき まさゆき) 著
茶道に関する点前や茶道具名品の芸術性また茶と禅との精神論に関する著作は多く存在するが、本書では、これまでほとんど手付かずの茶道具の素材について、筆者が専門とする材料科学の知識を用いて解説・紹介する。
◆主な目次
第1章 茶室における茶道具の世界を愛でる
1-1 茶室への誘い
1-2 茶道具の四季
1-3 茶道具の名品
1-4 歴史的日中貿易と唐物茶道具
1-5 江戸時代以降の和物茶道具
第2章 茶道具素材を科学する
2-1 物質の成り立ち
(トピックス:炭、陰陽五行説)
2-2 材料の分類と性質
(トピックス:名水)
2-3 セラッミクス材料
(トピックス:海のシルクロード、カオリン)
2-4 金属材料
(トピックス:黄金の台子、たたら製鉄、刀と釜)
2-5 高分子材料
(トピックス:竹、緑茶、絹とナイロン、有機ガラス)
2-6 複合材料
(トピックス:土壁、繊維強化プラスチック)
2-7 材料の強さ
(トピックス:応力―歪曲線
2-8 材料の接合
(トピックス:いがらくり法、ほぞ継ぎ、生体接着分子、漆)
1971年 京都大学工学部卒業
1976年 京都大学大学院工学研究科博士課程修了(1978年工学博士)
1976年 大阪大学助手、講師、助教授を経て
1999年 広島大学教授
2011年 広島大学大学院医歯薬学総合研究科定年退職(名誉教授)
〈賞〉
日本バイオマテリアル学会賞(2007年)
日本歯科理工学会賞(2010年)ほか