教 育
科学的に探究する資質・能力を育む理科教育
山田貴之(やまだ たかゆき) 編著
科学的な探究は、自然の事物・現象に疑問を感じ、観察や実験で検証可能な「問い」を設定することから始まる。本書では「主体的・対話的で深い学び」の実現のために、その探究の出発点である「問い」の設定について論じる。
◆主な目次
◆理論編◆
第1章 理科に対する興味が主体的・対話的で深い学びに及ぼす影響─初等教員養成課程学生を対象として─
第2章 「探究の技能」に基づく観察・実験等の類型化とその探究的特徴─小学校理科教科書の分析を通して─
第3章 「探究の技能」に基づく観察・実験等の類型化とその探究的特徴─中学校理科教科書の分析を通して─
第4章 中学校理科教科書に掲載されている「問い」の分類とその探究的な特徴 ─Y 社の 2011 年と 2020 年の検定済教科書を比較して─
第5章 小学校理科教科書に掲載されている「問い」の分類とその探究的な特徴 ─Y 社の 2010 年と 2019 年の検定済教科書を比較して─
◆実践編◆
第6章 批判的思考を促す理科授業が児童の実験計画立案力に与える効果─問題紙の作成を中心として─
第7章 中学校理科授業における主体的・協働的な学びを促す指導方法─「探究の過程の 8 の字型モデル」と「探究アイテム」に着目して─
1973 年 岐阜県生まれ
兵庫教育大学大学院修了 博士(学校教育学)
現 在 上越教育大学大学院准教授
兵庫教育大学大学院博士課程准教授(兼職)
平成 8 年 4 月から平成 30 年 3 月まで岐阜県の公立小学校に 9 年間,中学校に 13 年間勤務した。その間,国立教育政策研究所で「学力の把握に関する研究指定校事業」に係る企画委員や,「評価規準,評価方法等の工夫改善に関する調査研究」協力者会議委員などを務めた。平成 28年 3 月に「学校教育学」の博士の学位を取得し,平成 30 年 4 月に上越教育大学大学院に着任した。理科コースの准教授として,主に理科教育や科学教育に関する研究と,学生の論文指導に当たっている。また,日本理科教育学会の広報委員,学校図書の小中学校理科教科書の著作編集委員を務めている。
主な著書として,「平成 29 年改訂 中学校教育課程実践講座 理科」(共著,ぎょうせい,2017 年),「(日本理科教育学会創立 70 周年記念出版)理論と実践をつなぐ理科教育学研究の展開」(共著,東洋館出版社,2022 年)などがある。また,主な論文として,「小学生の理科における仮説設定能力に影響を及ぼす諸要因の因果モデル ─ 第 6 学年の児童を対象とした質問紙調査の結果に基づいて ─ 」,「小学校高学年児童の日常生活での因果関係のある事象に関与する経験及び意識の傾向」,「中学校理科授業における生徒の主体的な学びを構成する諸要因の因果モデル」などがある。