工 学
核燃料サイクルと放射性物質の移行、原子力安全性向上への取り組み
深田 智(ふかだ さとし) 著
原子炉運転に不可欠な核燃料サイクル前半部の天然ウラン資源獲得、同位体分離、燃料ペレット製造は国内技術が確立しているが、後半部の再処理、廃棄物処理・処分は、未だ十分機能していない状況である。本書では基本技術の紹介とともに、原子力安全性向上ための核種の環境移行、自然災害への対処、技術評価法の最新成果を説明する。
◆主な目次
第1章 原子炉の構成要素
第2章 ウラン採掘と精錬
第3章 ウラン同位体濃縮の原理
第4章 同位体分離カスケード
第5章 水素同位体分離濃縮
第6章 その他の核種の同位体分離
第7章 原子炉ダウンストリームの目的と基本的考え方
第8章 原子炉施設から排出される放射性廃棄物の種類と量
第9章 核燃料の核分裂収支と再処理の選択肢
第10章 燃料再処理法の技術検討
第11章 核燃料廃棄物と気体、液体、固体放射性廃棄物の管理
第12章 固体と液体廃棄物の固化処理
第13章 高レベルと低レベル放射性廃棄物処分
第14章 原子炉の放射線遮蔽構造と安全対策、核分裂生成物核種の環境中の移行
第15章 原子力規制と安全性向上のための施策
第16章 自然災害・外部起因事故事象への対応
1976 年 九州大学工学部応用原子核工学科卒業
1978 年同大学院修士課程修了九州大学大学院工学研究科応用原子核工学専攻助手、同大学院工学研究院准教授を経て2006 年 九州大学大学院総合理工学研究院先端エネルギー理工学専攻教授、九州大学水素エネルギー国際研究センター水素製造部門教授を併任
現 在 九州大学名誉教授、博士(工学 九州大学)
専門分野 原子力化学工学
著 書 「次世代エネルギーへの燃料 水素吸蔵合金による水素同位体の分離技術」(2000年 NTS)、「水素将来のエネルギーを目指して」(共著、2006年 養賢堂)、「溶融塩の性質と利用 新型溶融塩原子炉の実用をめざして」(2024年九州大学出版会)