文 学
古典文学研究の視角
中井賢一(なかい けんいち) 著
本書は、古典文学とその研究方法の諸観点ついて、講演録とエッセイから幅広く提示し、初学者を主対象に講じ、また論じたものであり、内容等も過度に専門的であることを避け、分かりやすく解説する。
◆主な目次
CHAPTERⅠ 講演編
section #1 「左右の」大臣考―テクストとの向き合い方―
section #2 破壊者としてのかぐや姫・桐壺更衣・光源氏
section #3 在と不在―研究の〝芽〟の見つけ方―
CHAPTERⅡ 断想編
section #1 災害と文学と教育と
section #2 ○○○○は二度裏切る
section #3 卑怯な女三宮
section #4 ヒキョーな夕顔
section #5 「卑怯な女三宮」ふたたび
section #6 『光源氏物語抄』の分からなさ
section #7 マメタロウノ恋ノウタ
[附載] マメタロウの大冒険、あるいは『古典』引用のカオス―『豆太郎物語』の世界―
section #8 俊成ノ「源氏見ざる歌詠み」ノ判
section #9 雨①
section #10 雨②
section #11 〈俯瞰〉する『岷江入楚』
section #12 「疎き人」? 誰と?
大阪大学大学院文学研究科博士後期課程修了 博士(文学)
ノートルダム清心女子大学教授
宇部工業高等専門学校准教授、熊本県立大学准教授・教授を経て、現職。
著書に『物語展開と人物造型の論理―源氏物語〈二層〉構造論―』(新典社2017)、主要論文に「夕霧〈不在〉の論理―夕霧の機能と物語の〈二層〉 構造―」(『国語国文』74 巻10 号 2005.10)、「夕霧〈太政大臣予言〉の論理―〈夕霧権力体制〉の誤算と物語の〈二層〉構造―」(『国語国文』76巻6 号 2007.6)、「『源氏物語』明石中宮論―明石中宮の機能と権力機構としての宇治―」(『中古文学』91 号 2013.5)、「『山路の露』転換の論理―方法としての喧騒と決定者としての薫―」(『中古文学』104 号 2019.11)などがある。