芸術・生活
音楽における永遠をめざして
音楽のパトグラフィー2
大谷 正人(おおたに まさと) 著
精神科医兼指揮者の経験を生かし、臨床心理学的視点や音楽学的視点から、超越性・永遠性などについて論じる。ベートーヴェンやマーラーなど大音楽家の作品やその演奏が、いかにして永遠性をもちうるのであろうか。
1951年 三重県に生まれる。
1970年 三重県立伊勢高等学校卒業、伊勢高等学校在学中は合唱部に所属し、植村茂氏(伊勢管弦楽団前コンサートマスター)に声楽を師事。同年、慶應義塾大学医学部に入学するが音楽家をめざして中途退学。
1971年 東京芸術大学音楽学部楽理科入学、東京芸術大学在学中に芸術祭(大学祭)でオーケストラの指揮を初めて経験する。
1975年 東京芸術大学音楽学部卒業、三重大学医学部入学、三重大学在学中に三重大学管弦楽団の学生指揮を約3年間担当。
1981年 三重大学医学部を卒業し、同時に同大学精神神経科講座に入局。伊勢シティ・フィルハーモニック管弦楽団(現在、伊勢管弦楽団)を仲間と共に創設し、現在に至るまで同楽団の音楽監督・常任指揮者をつとめる。
1983-1984年 Max-Planck精神医学研究所(ドイツ、ミュンヘン)に留学。
1986年 三重大学医学部附属病院精神神経科助手
1991年 三重大学教育学部助教授
1999年 三重大学教育学部教授、現在に至る。
2002年 『音楽のパトグラフィー─危機的状況における大音楽家─』(大学教育出版)を上梓。
2011年 名古屋マーラー音楽祭(2011年から2012年にかけてマーラー没後100年を記念してマーラーの全交響曲を連続演奏した音楽祭)で伊勢管弦楽団を指揮してマーラーの最高傑作、交響曲第9番を指揮。
現 在 日本病跡学会理事、音楽療法ネットワーク三重代表、三重大学室内楽団顧問。
音楽関係では、指揮を小泉和裕氏、故山田一雄氏に師事、チェロを河野文昭氏に師事した。三重大学教育学部特別支援教育講座、および三重大学大学院教育学研究科にて授業を担当するとともに、三重大学医学部附属病院、北山心身クリニック、松阪厚生病院で主に児童・青年期の精神疾患の診療にも携わっている。