社 会
チーズづくりの民族誌
ペルー山村の暮らしと市場をつなぐ「計算」と「配慮」
古川勇気(ふるかわ ゆうき) 著
市場原理でうまく稼ぎながら農村内の人間関係を維持することは、時に軋轢を生み苦労と気遣いを必要とする。ペルー北部山村のチーズを販売する農民の試行錯誤から生まれた知恵は、閉塞感のある現代社会に生きるわれわれにヒントをくれる。
◆主な目次
第1章 序章 経済人類学の農民研究と本書の目的
[第Ⅰ部 カハマルカ県酪農業の概要と乳製品を販売する農民の生活]
第2章 カハマルカ県酪農業とチーズ流通網
第3章 チーズ生産者の消費と社会関係づくり
[第Ⅱ部 村内における市場経済の影響と農民の振る舞い]
第4章 農村における市場経済の影響と農民の特異な経験
第5章 村内での利益追求と協調意識-社会/市場の重なり
[第Ⅲ部 都市の動向と村外に向けた選択]
第6章 ケシーリョ市場の取引関係-農民と仲買人
第7章 農村開発とチーズ生産者の選択-農民と開発支援者
第8章 終章 農民の計算と配慮の実践
1983年8月 愛知県名古屋市生まれ
2008年3月 埼玉大学教養学部 卒業
2010年3月 埼玉大学大学院文化科学研究科 修了
2018年3月 東京大学大学院総合文化研究科 満期退学
2019年2月 東京大学大学院総合文化研究科 博士(学術)取得
主な著書
『ペルー山村のチーズ生産者 暮らしの中の経済戦略』(風響社、2015年)
「ペルー北部山地のチーズ技術供与における開発支援者の期待と農民の実践」(『文化人類学研究』19号、2018年)(現代文化人類学会奨励賞受賞)