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キほんのWORD

A I の話①

掲載日:2022.09.01

 A I の話① ≪ 身近にあるデータサイエンス ≫

 

近年、AI(人工知能)やデータサイエンスという言葉を頻繁に耳にするようになりました。身の回りでもお掃除ロボットやAIスピーカーといったAI家電が少しずつ登場するようになりました。

 

 AIもデータサイエンスも、私たちが今後生活するうえで欠かせないキーワードです。

ただ、ITや数字が苦手な人にとっては、いまいちよくわからない分野かもしれません。

 この2つのキーワードは数学と密接に関わっていますので、周辺の情報とともに探っていきましょう。  

 AIとデータサイエンスは、中学・高校で学習した数学を「直接」活用できます。中学や高校であれだけ苦労して数学を勉強させられたのに、社会に出たら使わないじゃないか?と思った方も多いかもしれませんが、AIとデータサイエンスは、習った数学が直接応用できる分野なのです。

 そして、AIとデータサイエンスを活用することで、想像以上の成果を挙げた例も数多くあります。今後は社会に出て圧倒的な成果を挙げたい場合、AIとデータサイエンスは欠かせません。

 そこで「成果を挙げる数学」として、AIとデータサイエンスの概要に触れていきたいと思っています。

  まず、AIやデータサイエンスを知ることがどのくらい効果があるのかを、どのくらい圧倒的な成果を出してきたのか?を理解するために、大手回転寿司チェーン店の「あきんどスシロー」の例を紹介します。

 スシローの年間来客者数は1億人を超え、10億皿を超える寿司を提供しています。そんなスシローのお皿の裏には、AIを活用するための秘密があります。じつは、写真のようにICチップが付いていて、そこから年間10億件のデータを収集しているのです。

 そして収集したデータを基に、店舗ごとに当日の売上高や皿数を予測し、適切な量の食材を準備し、お寿司の作りすぎを防止しています。また、どの時間帯にどのネタが売れているのか? データを基にAIが判断して、AIが職人に握るネタを指示します。

 ICチップ等のデータや、握る寿司をAIが指示することにより、フードロスは4分の1となり、原材料価格高騰の対策としてコスト圧縮にもつながっています。

 そして結果的に私たちは、AIのおかげで、安い価格でおいしいお寿司が食べられるのです。

 握る寿司について、AIに命令される職人さんはすこしだけ気の毒なのですが、AIによってでフードロスは大きく減少したのは事実です。職人さんの経験とカンだけでフードロスは防げないし、安い価格でお寿司を提供することもできません

 スシローの例にとどまらず、現在私たちが安い商品を購入し、快適な生活を実現できている大きな要因の1つとして、AIが関わっているのは間違いないと言えるでしょう。

 

この記事を書いた人

佐々木 淳 ささき じゅん

1980 年宮城県生まれ
公立大学法人下関市立大学 准教授
元防衛省 海上自衛隊 小月教育航空隊 数学教官
東京理科大学理学部第一部数学科卒業
東北大学大学院理学研究科数学専攻修了
日本数学検定協会「実用数学技能検定(数検)」1 級
iML 国際算数・数学能力検定協会「算数・数学思考力検定」1 級
G 検定(JDLA Deep Learning For GENERAL 2020#2)
AI 実装検定(A 級及びB 級)取得

担当者の主な著書