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A I の話⓶

掲載日:2022.09.05

A I の話⓶ ≪機械学習からディープラーニングまで≫

 

 それではA Iの話に移りましょう。A Iの定義は専門家によってさまざまありますが、一言でいえば「知能を持ったコンピュータが人間のように物事を考えてくれるシステム」です。

 A Iの中で使われている技術はさまざまあり、近年注目を浴びているのは「機械学習」と、さらに進んだ技術である「ディープラーニング(深層学習)」です。

 もともとディープラーニングが脚光を浴びるきっかけとなったのは、画像認識のコンペやGoogleの猫認識などからです。

 これらは、毎日数えきれないほど投稿されるSNSの画像から不適切なものを排除します。また、例えば「Amazon Go」、「TOUCH TO GO」などにも活用されています。SNS上にアップロードされる画像で不適切なものを、人間が1つひとつ画像を見て判断して、削除することはもはや不可能です。 

 ディープラーニングという言葉を耳にしたことのない方もいるかもしれませんが、「Amazon Alexa」、「Siri」、「Google Home」などの音声認識などに活用されている技術通じて、すでに私たちの日常生活に浸透しはじめているのです。

 特に話題となっているのはDeepL社が提供しているDeepL翻訳です。DeepLは機械学習をベースにした翻訳で、他の翻訳ソフトよりも高精度です。

 例えば「後の祭り」と入力すると「Too late!!」と正しく訳され、他の翻訳ソフトのようにLater Festival や After carnivalとは訳しません。

 それでは「機械学習」と「ディープラーニング」の基本的な考え方を見ていきましょう。

 「機械学習」は、AIの一分野でその名の通りコンピュータ自身が経験や学習を行う技術です。私たち人間が新しい知識や技術を学習するのと同様に、コンピュータ自身が学習することによって、プログラムされた以上のことができるようになる仕組みです。学習の結果、膨大なデータから、私たちが欲しい情報や特徴をコンピュータが見つけます。

 例えば、皆さんはAmazonで購入したことはありますか?

 Amazonのおススメを見ているうちにうっかり購入してしまった、ということがありませんか。

 これは、Amazonのホームページに秘密が隠されていて、1人ひとりが欲しいもの、見たいもの、気になるものが表示されるように最適化されているのです。1人ひとりの欲しいもの、見たいもの、気になるものを人間が分析して、ホームページ上に反映させるのは不可能です。このような場合に、機械学習の手法が効果を発揮します。

 

この記事を書いた人

佐々木 淳 ささき じゅん

1980 年宮城県生まれ
公立大学法人下関市立大学 准教授
元防衛省 海上自衛隊 小月教育航空隊 数学教官
東京理科大学理学部第一部数学科卒業
東北大学大学院理学研究科数学専攻修了
日本数学検定協会「実用数学技能検定(数検)」1 級
iML 国際算数・数学能力検定協会「算数・数学思考力検定」1 級
G 検定(JDLA Deep Learning For GENERAL 2020#2)
AI 実装検定(A 級及びB 級)取得

担当者の主な著書